101号 ~“組む会社”の重要性~小口化不動産は特に事業者が大事

不動産特定共同事業法成立から30年近くが経過し、近年の法改正等もあり、「小口化不動産」は一つの商品として認知度が大きく上昇しました。
元々よく知られている1部屋や1棟を持つ形の他に、「小口化不動産」という新たな柱の一つが加わった感があります。
小口化不動産は不動産特定共同事業法に基づいて行われる形が多いですが、主な分類としては物件を所有するタイプの「任意組合型」「賃貸型」と、事業者に出資するタイプの「匿名組合型」があります。
(ここでいう事業者とは、小口化商品を販売している不動産会社のことを指します)
小口化不動産は事業の管理運営はほぼ全て事業者が行っています。これは投資家の皆様にとっては手間がかからないという大きなメリットがある反面、この“事業者“についてよく確かめる必要があります。
ここでは、事業者のチェックポイントについて何点か挙げていきます。

【なぜ事業者が大事なのか?】

小口化不動産のほとんどのものには事業期間が設定されており、通常この期間において事業者が管理運営を行うからです。
特に上記の「匿名組合型」の案件や前々号にてご説明した「クラウドファンディング型」の案件は所有権が事業者にあるため、事業期間中は
①事業者の破綻により投資家の元本部分が事実上の紙切れになるリスク
②事業自体が適切に運営されているかどうか
の2点について、よく注意しておく必要があります。
物件を所有する「任意組合型」「賃貸型」については事業者が破綻したとしても購入した持分を債権者に取られてしまうことはありませんので①のリスクはありません。

ポイント1【事業者の実績、規模】

事業者がどれだけ実績を積み重ねているかはとても重要です。
不動産業界はここ数十年で、1991年の「バブル崩壊」と2008年の「リーマン・ショック」という2つの大きな危機がありました。このとき経営基盤が脆弱な会社や、身の丈に合わない拡大路線を採った会社などは破綻の憂き目にあっています。もちろん歴史がそれほど無い事業者でも優良な業者は多く存在しますが、歴史と実績を積んでいるということは、その期間内に起こった逆境を切り抜けているという事実と、会社としてのノウハウが積み重ねられている可能性が高いことが言えるでしょう。

ポイント2【扱う小口化不動産の詳細 特に条件が良さげに見えるものは注意】

小口化不動産商品の購入に関しては、宅地建物取引業法(宅建業法)の制限を受けない商品も多く存在します。宅建業法では契約の前に宅地建物取引士(宅建士)による重要事項説明が義務付けられています。宅建業法の制限を受けない商品の場合、宅建士直接による説明がないため、不動産商品であるにも関わらず立地をはじめとした不動産としての価値をあまり理解せず、単純に利回りだけで判断してしまうようなこともあります。

しかし、相場とかけ離れた異常に高い利回りで募集している案件の多い事業者は要注意といえます。
例えば利回り●%を謳って投資を募っている案件は投資家側の視点では「●%の利回り収入がある」ことになりますが、事業者側の視点では「●%の配当を投資家に支払う必要がある」ことになります。
当該事業の利回りの基となる入居者やテナントの賃料が適切でない場合(相場よりはるかに高い賃料設定になっている場合など)、ほどなく当初の想定利回り●%は瓦解し、収益性は低下します。
なかには、初めから●%の収益力が無い事が分かっているにも関わらず出資金を募り、いわゆる自転車操業的な形で配当を支払っていると思われる案件もありますので注意が必要です。自転車操業の行きつく先は事業者の破綻であり、こうした場合匿名組合型やクラウドファンディング型の案件では元本部分の回収すら困難になってしまいます。
一見投資家にとって条件が良いと思われる案件は、事業者及び事業そのものが健全に運営されていることが前提で成り立つことを認識しておく必要があります。
同じ理由で、事業者の身の丈を超えた大きすぎる事業も注意が必要です。

ポイント3【出口までの会社の重要性】

利回り□%の案件があったとしても実際にその通りに運用できたか、想定外の出費等は無かったか等は運用終了の際に初めて確定することになります。
出口までの運営状態はとても大切です。
例えば不動産運用である程度長期間の運用を行う場合、入居者(テナント)の入れ替わりがあることは十分考えられます。その際に長期間の空室になってしまったり、当初と同じ賃料では新たな申し込みが取れなかったり等のトラブルが起きた場合、事業の成否が左右されてしまうこともあります。一般に、該当の事業が事業者の本業と近ければ近いほどノウハウや情報が蓄積されているため、事業としての安全性・安定度は高くなります。

【クレアスライフはどうなのか?】

当社クレアスライフの「一口家主iAsset」、「コンシェリアJAsset」は1口50万円または100万円に小口化した形を取っておりますが、実際の賃貸事業の運営は1部屋単位で行われます。
事業終了の際は皆様の持分をひとまとめにし、(iAssetは買取をした上で)一部屋単位で売却活動を行っています。賃貸事業の運営と売却活動は当社グループの本業そのもので、最も得意としている分野です。
当社は創業から39年を数え、グループ会社には賃貸管理会社のクレアスレント、建物管理会社のクレアスコミュニティー、仲介流通を扱うクレアスパートナーズがあります。
売ってしまって終わりではない、出口までの強固な運営管理体制をつくり、皆様の運用をサポートしています。

【不動産特定共同事業許可番号:
東京都知事第94号】
不動産特定共同事業法とは、不動産特定共同事業の健全な発達と投資家の利益保護を目的とした法律であり、事業を営むには主務大臣(国土交通省)もしくは都道府県知事の許可が必要です。
「一口家主 iAsset」は株式会社クレアスライフが賃借人として、オーナー様と賃貸借契約(不動産特定共同事業法第2条第3項第3号の不動産特定共同事業契約)を締結します。