112号 資産防衛戦略その2
資産防衛戦略その2
今年の3月号で日本経済の基調がデフレーション(デフレ)からインフレーション(インフレ)に変わってきたようだと申し上げました。
するとデフレの時代には「あたりまえ」だったことがインフレの時代では「あたりまえ」ではなくなったり、逆に今まで滅多になかったことが通常になったりします。
そのように時代の流れが変わってくれば私たちの資産運用でも発想の転換が必要になります。3月号で申し上げたことをもう少し詳しくお話をいたします。
お金の価値が減っていく時代になってきました
日本人は欧米人に比べ個人資産に占める預貯金のウェイトが大変高いようです。ほぼゼロに近い利息でもやはり財産の大半は預貯金で持っている方が多いのではないでしょうか。これは日本人の安全志向の現れだと思いますが、同時にデフレの時代には合理的理由がありました。
例えば物価が1%下がれば結果的におカネ(現金、預貯金)の価値は1%上がるので、わざわざリスクを冒して投資をする必要はなかったのです。
ところが、一昨年あたりから事情は変わってきました。
食料品や光熱費、サービス料金等日常生活に密着したほとんど全てのものの価格が上がり始めました。同じ金額でも買えるものが減ってきました。それだけおカネ価値が減ってきたということです。
この時代に財産を何で持つか
あまりリスクを冒したくないけれどみすみす財産の価値が減っていくのを指を咥えて見過ごすこともできません。そのためには物価の上昇とともに価値が上がっていくものに変えることも一つの方法です。
これをインフレヘッジといいます。
インフレヘッジには株式、不動産あるいは貴金属への投資などがあげられます。以下では不動産にスポットライトを当てて詳しく見てみます。
資産防衛のための不動産
不動産の価格はインフレによる土地、資材、人件費等の値上がりとともに上昇します。新築価格が上がると中古価格も上がる傾向があります。
不動産投資は不動産を購入して第三者に貸し付けその家賃収入を投資のリターンとするものです。そしてインフレ時には2つ利点があります。
一つ目は家賃の上昇による運用収入の増加です。長らく続いたデフレで家賃が上がるといってもピンとこない方が多いようですが、バブル崩壊以前は更新のたびに家賃が上がるのは当たり前のことでした。
二つ目は不動産価格の値上がり、つまりインフレヘッジになります。
不動産投資にはこのようなインフレヘッジとしての効用がありますが、とりわけ次のような条件を備えていれば更に安心です。
- 好立地であること 都心(特に山手線沿線)
- 築浅であること RC(鉄筋コンクリート)造で築後10年程度まで
- 住居であること オフィスや商業施設に比べ入居率の安定度が高い
誰にでもできるようになった不動産投資
好立地・新築/築浅の不動産投資には多額の資金が要るため、それができる人は限られていましたが、近年多くの人に可能になりました。
それが小口化商品です。
例えば、5,000万円のマンション1部屋を50口の共有持分に分割して1口100万円から買えるようにした商品です。
このような小口化商品ならば5,000万円がなくとも500万円でも1,000万円でも手元の資金に合わせて投資できます。
小口化商品のメリット
都心の築浅不動産が少額で買えることに加えて更にメリットがあります。
- 相続対策になる ①不動産なので相続時の評価額を低くできる(節税)②遺産分割の時に1口単位で公平な分割ができる(争族の回避)
- 運用の途中でも必要に応じ1口単位で売却/贈与が可能(*)
- 手間暇がかからずに家賃収入を享受できる
(*)クレアスライフのJAssetの場合です。
不動産投資は富裕層のための資産防衛策でしたが幅広く多くの方々に使えるようになりました。資産運用、相続対策を兼ねて検討されたら如何でしょうか。
【一口メモ】小口化商品のいろいろ
小口化商品には所有権になるものとならないものがあります。クラウド・ファンディングなどで募集しているものはほとんどが匿名組合型といって所有権にならないものです。このタイプはインフレヘッジにならないものが多く相続対策にもなりません。
他方、クレアスライフのJAssetなどは任意組合型といって所有権になるものです。
このタイプはインフレヘッジだけでなく相続対策にもなります。