113号 小口化不動産商品のいろいろと注意点について
小口化不動産商品について
当社が一口家主iAsset、コンシェリアJAssetに代表される小口化不動産事業を始めて10年以上になりますが、小口化不動産ついては様々な形があります。
不動産小口化事業には大きく分けて「任意組合型」「匿名組合型」「賃貸型」がありますが、賃貸型を商品化できているのは事実上、「一口家主iAsset」を扱う当社のみですので、ここではその他2つの任意組合型と匿名組合型の特徴を挙げた上で注意点をご説明します。
保有した後は手間がかからない、などの共通するメリットもありますが、一番大きなポイントは、端的に申しますと「あなたのものになる(任意組合)」か「ならない(匿名組合)」かです。これによって注意点が大きく異なってきます。
【任意組合型】
「あなたのものになる」コンシェリアJAssetはこちらです。
- 長期間(10年~)のものが多い
- 所得の分類上は不動産所得になる
- インフレリスクに対応できる
- 相続対策、贈与対策になる(分けやすさ、節税効果)
- 所有権は買った方にあるため、運営企業が破綻しても物件が持っていかれるリスクは無い
- 投資対象によってリスクとリターンの度合いが変わります。
代表的な投資対象には住宅、オフィス、商業施設がありますが、
一般的に利回りや出口部分の安定性は住宅が一番高く、オフィス、商業施設と右側になるほどハイリスクハイリターンになると言われます。
→好立地の物件を持てば賃貸需要が大きいため、リスクは小さくなり安全性も高くなりますが、そうでないところ持つと出口戦略(市場はあるのか、売れるのか)に不安が残ります。
よって、対象の物件選定(立地)が大きなポイントとなります。
【匿名組合型】
「あなたのものにはならない」 クラウドファンディング型商品などです。
- 短期間(数か月~5年程度)のものが多い
- 所得の分類上は雑所得となる
- 契約手続き等がお手軽な場合が多い
- 任意組合型に比べ利回りが高い商品が多い
- 優先劣後構造を組み込んでいるものが多い(値下がりリスクへの対応)
→所有権は運営企業にあり、運営企業が破綻した場合は元本の回収は困難です。
匿名組合型は、購入者にとって運営企業への出資と同じ意味を持ちます。
表にすると、下記のようになります。
任意組合型 | 匿名組合型 | |
---|---|---|
あなたのものに | なる | ならない |
運用期間 | 10年~(長期) | 数か月~5年(短期) |
所得上の分類 | 不動産所得 | 雑所得 |
優先劣後構造 | なし | ある場合が多い |
契約時の手続き | 普通 | 比較的手軽なものが多い |
運営企業破綻時の元本リスク | なし | ある |
インフレ対策 | なる | ならない |
相続時の評価額圧縮効果 | あり | なし |
注意点(ポイント) |
・対象物件の立地 ・投資対象(住宅、オフィス、商業施設など) |
・運営企業の信用、財務状況 ・利回りの根拠(※1) |
(※1)事業終了時の売却価格が当初より値上がりすることを前提にし、値上がり分を最初から利回りに含めている商品もあります。
(値下がりした時には利回りが大きく減ります)
当社のコンシェリアJAssetは任意組合型商品で、
- 都心あるいは都心近郊立地(賃貸需要が大きい、価値が高い)
- 住居系(景気などの世情に左右されにくく高い稼働率がある)
- 区分マンション(1部屋での売買は、巨大な出口市場がある)
の条件を満たしたもののみを対象にして商品化しています。
保有中は賃料による安定収入が、事業終了時には巨大な市場に裏打ちされた売却の容易さがあり、購入後も安心してお持ちいただけることがメリットです。
【1口メモ】
投資商品に「ローリスク・ハイリターン」なものはありません。
任意組合型、匿名組合型問わず、利回りが高いものはそれ相応のリスクが存在します。
例えば高利回り商品は、買う(投資家)側からすればハイリターンで魅力的に見えますが、運営企業側から見れば高い配当を支払う必要があるということです。
- この高い利回りの根拠は何か?
- あまりに高い配当は、運営企業側にとっても大きな負担になるのではないか?と、魅力的に見える商品は一度立ち止まって考えてみると、隠れたリスクが見えてくるかもしれません。特に「あなたのものにならない」商品特有の、「運営企業の破綻による元本毀損リスク」はよく見落とされる部分ですので、お気を付けください。