第13号 オリンピックの先/超低金利での資産戦略②
【一口家主をもう少し詳しく】
オリンピックまでは東京の不動産市況は大丈夫だろうけど、その先が心配だという声が時々聞かれます。しかし本当にそうでしょうか。オリンピックで東京は更に魅力を増し、また一方で日本の経済構造をも変える巨大プロジェクトが着々と進んでいます。
ポスト・オリンピックの東京はどうなるのか
一口家主に限らず、不動産に興味をも っておられる方で東京オリンピック後を心配していらっしゃる方がいます。心配の原因は何でしょうか。一極集中とも言われる東京への人口流入による住居需要や国内・海外企業のオフィス需要がオリンピック終了に伴い減退して住居や事務所、商業施設などの需給バランスが緩んで空室率が増え不動産市況が悪化するのではないかという懸念だと思われます。はたしてそのようなことになるのでしょうか。
国際都市としての魅力が増す東京
もともと東京は国内企業の本社機能や海外企業のアジア拠点、世界レベルの商業・娯楽施設、多数の文化・教育施設を有し文化都市、商業都市としてロンドン、パリ、ニューヨークと並ぶ国際都市です。オリンピックを契機に更に国際化が進み国内だけでなく海外関連ビジネスの一層の活発化や観光客の増加が期待されます。オリンピックのために整備されたインフラや外国人接遇のノウハウが更なるインバウンド効果を産むからです。筆者はかつてロンドンに在住していたことがありますが、ロンドン五輪の翌年訪ねて、既に成熟した国際都市ロンドンが更に外国人にとって魅力的になっているのに驚いた経験があります。
東京の生活を変える「リニア新幹線」
品川―名古屋間のリニア新幹線の工事が2027年の開業を目指して進んでいます。時速505kmで品川―名古屋間を40分で走る計画です。これが開通したらどういうことになるでしょうか。
- 東京―名古屋の通勤が可能になり、
- 普通電車で埼玉や千葉から東京へ行くのと変わらないことになります。
更に2045年には東京―大阪間が67分になる計画です。
こうなると東京から大阪に日帰りで出張したり、遊びに行ったりすることが簡単にできるようになります。
リニア新幹線効果
リニア新幹線の開通による東京―名古屋間、東京―大阪間の移動時間の大幅な短縮は東京に更なる利便性の高さをもたらします。
過去に新幹線の開通は大都市への人口の流出を促し、地方過疎化の要因になったと言われます。
リニア新幹線により移動に便利な東京へのビジネス拠点や人口の集中化傾向はますます強まるものと思われます。 オリンピック終了直後に一時的な市況の停滞はあるかもしれませんが、オリンピックにより魅力を増した国際都市東京にリニア新幹線効果がプラスされて、東京の不動産需要は引き続き堅調に推移するのではないでしょうか。
【やさしい資産運用のお勉強】
前回は日経新聞の記事を基に超低金利時代で 「虎穴に入らずんば虎児を得ず」とは言いながらも、なるたけリスクは抑えてある程度のリターンを得られる商品を考えられた如何でしょうか、という話をしました。その一例として不動産特定共同事業商品の検討をお勧めしましたが、本号では同商品について第5号とは異なった切り口でもう少し詳しくご説明します。
100万円の働かせ方(税引き後)
-
普通預金では
1年間の利息(0.02%)159円 -
メガバンクの定期預金では
1年間の利息(0.03%)239円 -
個人向け5年間固定国債では
1年間の利金(0.05%)398円 -
不動産特定共同事業商品
S社、T社では1年間の分配金(約1.3%)10,359円 -
不動産特定共同事業商品
CL社では1年間の賃料(約2.3%)23,000円
なぜ不動産特定共同事業商品を勧めるのか
先ず利回りが違います。上表をご覧いただけば一目瞭然です。他の安全な資産運用と較べて二桁違います。その理由は不動産から生まれる収益が原資だからです。不動産は安定した収益を生み出しま すが、購入するにはまとまったお金が要ること・換金性に難があること・物件の見極めなどが素人にはハードルが高いことなどから、限られた方の投資対象となっています。不動産特定共同事業商品はそれらの難点を克服して一般の方に投資しやすくなっています。
また元本の安全性を高めるための仕組みが工夫されています。
個々の商品により違いはありますが、この商品に共通する特徴は、
- ローンを使わず小口で投資できる。
- 元本の安全性を高める仕組みがある。
- 事業者の買取りにより換金が容易。
元本の安全性を高める仕組みとは
バブル時の体験で不動産は怖いと感じる方の印象を払拭するために次のような仕組みを備えた商品が殆どです。
- 事業者が元本を買取るときの対象不動産の評価額はその時々の相場ではなく、契約で定めた計算方法(収益還元法)で決まります。この方法に拠ると元本変動のリスクが低くなります。(第2号に詳しい説明があります。)
- 事業者が一定割合の元本保証をします。例えば対象不動産の評価額の下落幅が20%未満であれば購入元本は減りません。(第3号に詳しい説明があります。)
なぜ不動産特定共同事業商品は知られていないのか。これを機会にご検討を。
不動産特定共同事業商品は超低金利のこの時代にローリスク/ミドルリターンの恰好の商品なのですが、あまり知られていません。我が国では証券会社か銀行がほとんどの資産運用商品を扱っていますが、この商品については法律で定められた国交省または都道府県知事の許可を必要とするハードルがあり、彼らを通じて一般の方に情報が届く機会がないのです。知名度が低いため新聞紙上などの資産形成に関する特集記事などにも出てこないのです。
代表的商品は住友不動産「サーフ」、東京建物「インベストプラス」(いずれも出資型)、クレアスライフ「一口家主 iAsset」(購入型)(出資型、購入型の違いについては第5号をご覧ください。)などです。各社のホームページやパンフレット等をご覧になって、超低金利のこの時代に安全に資産を増やす一選択肢として検討してみることをお勧めします。