第2号 元本安全の仕組み-その2/資産運用商品のタイプ①
【一口家主をもう少し詳しく】
元本安全の仕組みーその2 収益還元法によるマンション価格の評価
収益還元法とは
高い家賃の取れる部屋の値段は低い家賃の部屋よりも高くて当たり前ですね。たとえば、図のように。
実際には家賃そのものではなく、家賃から管理費や固定資産税などの経費を差し引いた賃貸収益(利益)が多い少ないに応じてその部屋の価格を決めようという考え方です。
一口家主の月島407号室の場合は事業開始時の価格が55,000千円で賃貸収益が1,752千円なので賃貸収益の価格に対する割合は1,752÷55,000で3.18%になります。事業を終了するときはその時の賃貸収益を3.18%という同じ割合で割り戻して物件価格を評価します。つまり物件の価格の上がり下がりは純粋に賃貸収益の増減に比例します。
収益還元法を使うことの意味
ー不動産相場の変動リスクの回避
不動産取引ではその時の相場で売却して元本を返還するのが普通です。しかし、5年後に事業を終了するときにもしもリーマンショックの時のように不動産相場が激しく落ち込んだら元本割れしてしまうかもしれません。そこで元本の安全第一とする一口家主では不動産相場ではなく、非常に安定的な家賃に基づく収益還元法でマション価格を評価することにしたのです。
非常に安定的な都心マンションの家賃
(一坪当たり賃料推移:東京カンテイ資料)
2008年のリーマンショックの前後5年間で不動産価格は数10%下がりました。しかし、都心マンションの賃料は5.5%しか下がりませんでした。これに加えて次回説明する優先劣後スキームにより20%までの価挌下落は 保証されているので、実質的には元本割れリスクは極めて小さくなりま す。
【やさしい資産運用のお勉強】
その1.資産運用商品のタイプ①
資産運用の目的は?
もちろんお金を増やしたいというのはだれしも望むことですが、A-「損をするかもしれないがそれを覚悟で大きく儲けたい」という人と、B-「絶対に損はしたくない。その範囲で少しでも増やしたい」という人とでは運用方法が変わってきます。
Aの人の目的に合う典型的なものはギャンブルです。たとえば競輪、競馬、カジノでの賭け事などです。これらは資産運用とは言えないかもしれませんが、資産運用にもこれらに近いものがあります。商品相場での先物取引や FX、発展途上国の国債などです。
Bの人の目的に合う典型的なものは日本円の定期預金や日本国債です。
上記は典型的なものですが、実際はリスクの大きさの程度や利益率の大きさの程度によって、上の例の中間のように位置づけされる 商品が数多くあります。しかし、商品のもつ性格として下記の2つのタイプに分類されることをしっかりと頭に入れておいてください。キャピタル・ゲイン型商品とはAの目的に合うもの、インカム・ゲイン型商品とはBの目的に合うものと言っていいでしょう。
運用のスタンスをはっきりと決める
先ず自分はAのタイプか、Bのタイプか運用スタンスをはっきり決めることが大事です。その上で、「キャピタル・ゲイン型商品を選ぶが元本の安全性の高いものを」とか、「インカム・ゲイン型商品を選ぶが少しでも利息の良いものを」という選択になります。ただ、下の表の商品のタイプに書いた特徴はなくならないということを忘れないでください。たとえば自分は配当目あてで安定した大型株を買っているから大丈夫と思っていませんか。下の表は大 手のM銀行グループの株価の推移で2014年1月を100としたものです。
2014/1 | 2014/5 | 2014/11 | 2015/1 | 2015/2 |
100 | 78 | 95 | 90 | 102 |
大型安定株と言われるものでもこれだけの変動があるのです。2015年の1月に急にお金が必要になり売却したら配当なんかは飛んでしまい大幅にマイナスです。「余裕資金で投資しているので値上がりするまで気長に待つわ。」とおっしゃる方もいますが、いつ上がるか分かりません。それなら元本が変わらないで確実に利息が稼げるインカム・ゲイン商品をという選択も出てくるのではないでしょうか。
商品のタイプ | キャピタル・ゲイン型商品 | インカム・ゲイン型商品 |
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特徴 |
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商品例 | 金・FX・株式・投資信託(株式中心)・リート・海外株式ファンド・外貨建て債券・各種インデックス | 円定期預金・日本国債・円建て社債・賃貸不動産・不動産特定共同事 業商品 |
次回は、資産運用商品のタイプ②としてインカム・ゲイン型商品を中心に説明します。