第25号 「一口家主iAsset」のリスクをチェックしてみました。/ 具体的には「リスクの予測がつかないもの」とはどういうものか。

【一口家主をもう少し詳しく】

先月号(第24号)のやさしい資産運用のお勉強では、今のような不透明・不確実な時代では、はっきりと見えるもの自分自身が納得できるシンプルなもので資産運用することが大切と申し上げました。その意味で不動産投資はその典型的なものです。そして不動産を小口化した「一口家主iAsset」は手軽にできる、シンプルな投資対象です。

不動産投資とは

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一昔前のバブルの頃は、不動産投資というと購入・転売により儲けを出すことのように思われがちでしたが、ここで言う不動産投資とは大家さん業のことです。つまり、不動産を購入して、賃貸して家賃を得ることです。仕組みとしては実にシンプルです。リスクも明白です。①空室にならないできちんと家賃が入ること。②賃借人を募集できる状態に維持管理できていること。

不動産投資の問題点

不動産投資にはアパート経営もありますが、一般的には区分所有マンションの購入です。この場合、マンションのデベロッパーあるいはそのグループ会社が賃借人の募集や建物の管理をしてくれるので管理の手間暇や専門知識は要りません。問題は投資金額が大きいことです。都心ですと25㎡前後の1Kのマンションでも3,000万円前後するので、現金で買える方は限られています。そこで、もっと小さい金額で買えるように小口化された商品があります。それは不動産特定共同事業法という法律に基づいて、国交省大臣あるいは都道府県知事の許可を得た事業者のみが取扱うことができるものです。クレアスライフの「一口家主iAsset 」もこの不動産特定共同事業商品です。

「一口家主iAsset」の違い

通常、不動産投資はその不動産を持ち続けることを前提としていますが、「一口家主iAsset」は、小口の投資金額で定期預金や国債などのように一定期間で換金できるようにしています。そして元本毀損リスク(投資した元本が減るリスク)の最小化を図るため3つの工夫をしています。

  1. 購入された共有持分の登記
    詳細は本通信創刊号を参照ください
  2. 収益還元法による共有持分の評価
    第2号第18号を参照ください
  3. 優先劣後方式による元本の下落20%保証
    第3号を参照ください

リスク軽減の仕組を支えるものは

立地です。いくら仕組みに工夫がしてあっても例えば過疎の地方都市ではリスクは大です。人口が流入し、増加している東京都心だからこそ仕組みが活きてきます。クレアスライフのマンションの立地は都心の人気エリアだけです。

一口家主iAsset のリスク対策

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【やさしい資産運用のお勉強】

先月号で、「自分の目ではっきり見えるもの」、「シンプルなもの」での資産運用をお勧めしました。これに関しいろいろご質問がありました。「シンプルなもの」については、上のページでご説明します。「シンプルではないもの」言い換えれば複雑で「リスクの予測がつかないもの」とはどういうものか。具体的にはどんな商品か見てみます。

リーマンショックを覚えていますか?

2008年9月15日にアメリカの超大手証券会社であるリーマンブラザーズが倒産しました。そしてこれに端を発し世界中が金融大恐慌となり、多くの金融機関や企業が倒産しその影響は何年も尾を引き、世界経済停滞の一因となりました。このリーマンショックの原因となったのが、サブプライムローンという信用力の低い人達向けの住宅ローンです。このローンが他のいろいろな債権類と一緒に組み込まれて証券化された金融商品が世界中に出回っていました。ところがサブプライムローンの破綻により、関連する金融商品が軒並み暴落し、世界の金融は大混乱に陥ったのです。おそらくこれらの金融商品に投資していた人は、その商品に非常にリスクの高いサブライムローンが組み込まれていることは知らなかったと思います。

複雑なものはリスクが増える

証券会社や銀行から国内外の債券や株式が複雑に組み込まれた投資信託を勧められます。然しその複雑さゆえにリスクの予測さえできません。いろいろな商品が混ざっているということは、その中の一つの商品に何らかの瑕疵が生じれば商品全体がダメ商品となってしまうということです。この不透明な時代では何がリスク要因となるか分かりません。多くの商品が組み込まれているということは、その数だけリスクの要因が多いということです。「いろいろなものが入っているのでリスクが分散して安心です」というのは明らかに誤りです。

インデックス投資は必ず儲かるか

インデックス投資というものがあります。これは日経平均とかTOPIX(東証株価指数)などに連動して動く投資信託です。短期的には上がり下がりはあっても長期的には右肩上がりのトレンドになるので確実に儲かると言われますが、現実にはTOPIX はここ27年間右肩上がりのトレンドにはなっていません。数年おきに時々小山ができては、またストーンと谷へ戻ることの繰り返しです。他方、予測できないリスクは一杯あります。ファンドに組み込まれている株価は企業の業績により変わるし、株式市場全体が予測不能な経済や政治の要因により変動するからです。リスクはあるけど儲からないというのがこの商品の現在の姿です。そもそも経済の成熟国では経済成長が止まっており、平均株価が右肩上がりに上がっていくという時代ではなくなっているのです。

トランプ相場への過度な期待は危険

トランプ氏が次期大統領に決定した直後から、日本では円安が進み、株高になり始めました。政府関係者はアベノミクスや黒田バズーカの成果だと言いますが、本当にそうでしょうか。年初来高止まりしていた円や15,000 円~17,000 円で膠着状態にあった株価が、トランプ氏の勝利で急に円安株高に動いたのです。しかし、アメリカの経済実態が大幅によくなったわけではありません。財政拡張策への期待感からの相場と思った方がいいでしょう。今後のことは予測不能です。現状に過度の期待をしてリスク資産への投資判断はしないようにしてください。

【不動産特定共同事業許可番号:
東京都知事第94号】
不動産特定共同事業法とは、不動産特定共同事業の健全な発達と投資家の利益保護を目的とした法律であり、事業を営むには主務大臣(国土交通省)もしくは都道府県知事の許可が必要です。
「一口家主 iAsset」は株式会社クレアスライフが賃借人として、オーナー様と賃貸借契約(不動産特定共同事業法第2条第3項第3号の不動産特定共同事業契約)を締結します。