65号 現在市場にある商品の、⽬的に応じた選び方をご説明します。 / この1,2年大変人気な「3倍3分法ファンド」

【不動産の小口化アセットのあれこれ】

小口化不動産の商品は、不動産特定共同事業法の3商品(任意組合型・匿名組合型・賃貸型(*))及びJリートが一般的です。現在市場にある具体的商品に基づき、目的に応じてどのタイプの商品が適切かをご説明します。
なお、実際に投資するに当たっては別途、商品を提供する事業者の信用リスクの程度、利回りの高低、対象不動産の良し悪し等を充分吟味してください。

(*)賃貸型はクレアスライフ「一口家主iAsset」の条件を前提としています。

取引の簡便性・換⾦性を重視する場合

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第一は株式と同じように証券市場で簡単に売買できるリートでしょう。次に匿名組合型も不動産の所有権の移転を伴わないので比較的簡易です。
賃貸型及び任意組合型(以下任意組合型については現物出資型のものとします。)では不動産持分の売買を伴うのでその分複雑になります。
換金性についてはリートに次いで事業者による買取がある匿名組合型と賃貸型がほぼ同等です。

元本の安全性を重視する場合

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第一は賃貸型です。共有持分は購入者自身の所有権であり、また優先劣後構造により運用満了時の元本の目減りリスクが緩和されています。
次いでやはり不動産の所有権をもつ任意組合型ですが、優先劣後構造はないので換金時のリスクは賃貸型に比べて劣ります。
匿名組合型は優先劣後構造がありますが、不動産の所有権を持つ形ではないため事業者が破綻した場合元本の回収が困難になります。
リートも所有権ではなく、また優先劣後構造もないので仕組みとしての安全性には他の3タイプよりも劣ります。
加えてリートは上場されているため価格が絶えず変動します。また、組込まれている不動産の価値の実態とは関係なく、その時の世界的な経済情勢、政治情勢、社会情勢などによりか価格が大きく変わる不安定さがあります。

不動産の“所有”を重視する場合

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投資用マンション1戸を買うように将来も見据えた資産として保有したいという場合は第一は任意組合型でしょう。運用年数が10年以上のもが多く、また事業者による買取や優先劣後構造がない返面、それが利回りに反映されるのが一般的です。
賃貸型もこの目的に添うのですが、運用年数が5,6年と短いので任意組合型に比べその点は劣ります。

匿名組合型もリートも不動産自体の所有ではないため「不動産を持ちたい」という方にはあまり向きません。

相続対策を重視する場合

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相続財産は一般的には時価で評価されますが、不動産の場合は相続税評価額という特別の価格になります。それは実際に取引される価格(時価)よりも低くなります。
このように相続財産を不動産で持てば他の資産に比べ相続税が少なくなる方向です。この目的には不動産の所有権である賃貸型、任意組合型が適します。また相続税評価額は生前贈与にも適用されます。

なお、小口化不動産の場合は50万円や100万円などの小さい単位の金額で相続できるため2人以上の相続人がいる場合は公平な遺産分割(争族の回避)ができます。

匿名組合型およびリートは不動産の所有権ではないためこの目的には向きません。

【やさしい資産運用のお勉強】

この1,2年「3倍3分法ファンド」が大変人気があるようです。このファンドは投資金額の3倍の資産運用をして利回りを上げること、運用資産が3種類の資産、株式、国債、不動産(リート))にリスク分散されているので市場変動に強いことが売りでした。
ところが、新型コロナウィルスによる世界経済直撃のパニックで基準価格が2月下旬から3月下旬にかけて37%超も下落したとのことです。改めて分散投資とは何かを考えさせられます。

3倍3分法ファンドとは

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100の資⾦投⼊で300の資産運⽤になるので「3 倍」、3つの資産で運⽤しているので「3分法」と命名しているようです。

現⾦部分を証拠⾦として先物を購⼊して利回りを上げる仕組は⾯⽩いですが、運⽤資産を3分しているのでリスク分散ができているというのはどうでしょうか。
よく⾔われる資産3分法とは少し違っています。

“いわゆる”資産3分法とは

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いわゆる資産3分法というのは、経済状況など外部環境に変化があった際に値動きの異なる資産を組み合わせることにより、財産の減少リスクを減らそうという考え方です。

幾つかの考え方がありますが、「現金・預金」、「株式」、「不動産」の3つに分けるのが一般的です。

3倍3分法の問題点

国債、株、不動産(リート)に3分、かつ国内・海外に分散させていますが、今回の新型コロナに起因する世界的市場混乱で3つとも一斉に下がってしまいました。経験則的には株の下落時には債券の価格が上がり、不動産であるリートは株や債券の動きにあまり影響を受けずアンカーの役割をするものと想定されていました。ところが実際には3セクター全てが下ってしまったのです。

実はこの3分法はいずれも金融資産という同一分野の中で種類を分けているだけです。金融市場が直撃されれば一斉に下がってしまいます。リートを不動産と位置付けていますが、リートは不動産ではありません。

皆さまがご自身の資産を運用する場合にも“いわゆる”資産3分法のように異なった分野への分散をお勧めします。

【不動産特定共同事業許可番号:
東京都知事第94号】
不動産特定共同事業法とは、不動産特定共同事業の健全な発達と投資家の利益保護を目的とした法律であり、事業を営むには主務大臣(国土交通省)もしくは都道府県知事の許可が必要です。
「一口家主 iAsset」は株式会社クレアスライフが賃借人として、オーナー様と賃貸借契約(不動産特定共同事業法第2条第3項第3号の不動産特定共同事業契約)を締結します。