71号 「一口家主iAsset」の7年間 / 不動産投資の出口

【不動産の小口化アセットのあれこれ】≪「一口家主 iAsset」の7年間≫

「一口家主 iAsset」は2013年11月に第1号商品を発売してから丁度7年経ちました。この商品はわが国ではほぼ初めてと言える特徴を持った商品です。小口化した不動産が所有権として登記されるという画期的なものです。これ以前にあった小口化商品は事業を行う企業の所有する不動産に小口で出資するもので、自分自身が不動産を所有する形ではありません。「一口家主 iAsset」の第1号が発売されて7年、その実績を振返ってみます。

運用期間満了を迎えた物件

この7年間で5物件が運用期間満了を迎えました。5物件ともお客様のご希望により3年間延長しました。その際の手続きは、

①満了が近づくとお客様全員にご希望を伺います。
②延長ご希望が多数の場合、特段の問題がなければ延長させていただきます。
③延長希望者とは延長契約を締結します。
④延長を希望されない方とは終了手続きを行い、お客様の優先持分を買取ります。
*買取価格は5物件いずれも50万円あるいはそれ以上でした。

賃料・元本の安定性

現在までの運用物件は17件ですが、

①-ⅰ)入居者賃料:下がったものはなし
事業を開始したときの入居者との契約賃料が下がったケースは1件もありません。

①-ⅱ)借上賃料:下がったものはなし
全物件とも入居者賃料が下がっていないので事業開始時の予定賃料と同一です。
*入居者賃料が下がったときのリスク回避も考慮して借上保証の仕組を導入しましたが、その点ではこの仕組みは不要でした。

②-ⅰ)物件の評価額:下がったものはなし
事業開始のときに予め決めた還元率を使用して、各年収益還元法で評価していますが、下がったものはありませんでした。

②-ⅱ)優先持分の価格:1口50万円から下がったものはなし
*物件評価額が下がった場合のリスク回避として20%の劣後持分を導入しましたが、幸いその仕組を使わずに済みました。

「一口家主iAsset」に組み入れたコンシェリアマンションはいずれも都心の好立地のため
賃貸需要が強く、賃料・物件評価額ともに強含みで安定しています。

収益性

第1号商品の場合、賃貸利益利回りは50万円に対し2.43%でほぼ予定通りです。

第1号商品で100万円を運用の場合
7年間で117万円になりました。 100万円(元本)+17万円(賃貸利益)

定期預金で100万円を7年間預けたら
7年間で100万140円です。 100万円(元本)+140円(利息)

贈与の際の節税効果

「一口家主 iAsset」は現物不動産ですので贈与の際、相続税評価額で評価されます。
10口(500万円相当)をお孫さんに贈与されたお客様がおられます。その物件の場合ほぼ1/5に圧縮されました。評価額は110万円の贈与税課税の基礎控除前後となり、ほぼ無税で贈与ができたそうです。

相続

親御さんが息子さんに勧められて購入し、その親御さんが亡くなられた後、息子さんが相続された例があります。
当社は、遺産分割協議書および所定の証明書類を頂戴して、持分の移転に係る諸手続きにご協力しました。相続分の一部の売却を希望されましたので当社が1口当たり50万円の評価額で買い取りました。この方も不動産での相続をされたので相続税の節税に役立ったとのことでした。

【やさしい資産運⽤のお勉強】≪不動産投資の出口≫

不動産投資には安定した資産形成、相続対策、インフレ対策等々いろいろな目的があります。皆さん運用利回りには大変注意を払われますが、運用期間終了時の出口については深く考えない方が多いようです。例えば3%の商品と4%の商品があれば、多くの方は後者を選ばれるでしょう。しかし、4%の商品の物件価格が10年の運用終了後に20%下がったとすれば利回りは逆転します。将来の予見は難しいですが出口には十分注意を払うことが大切です。

出口の種類

小口化された不動産投資では、運用期間が終了して投資元本を回収することを出口と言います。この出口には幾つかの種類があります。大きく分けると市場売却のタイプと商品を販売した事業者が買い取るタイプとがあります。

市場売却

一人で1住戸を所有している場合は通常不動産会社に代理または仲介をしてもらい不動産市場で売却してもらいます。
小口化された不動産の場合は、その商品を販売した事業者が各投資家の持分をまとめて直接あるいは他の業者に依頼して売却します。その売却代金から手数料等の経費を差し引いた金額が各投資家の持分の割合に応じて支払われます。これが元本の回収即ち出口となります。

事業者の買取

小口化された不動産の場合は、運用が終了した時にその商品を販売した事業者が買い取る形も多くあります。その場合の評価方法としては次の二つが一般的です。

①鑑定評価
不動産鑑定士が査定するもので「取引事例比較法」、「収益還元法」、「原価法」を組み合わせて評価します。
鑑定評価は鑑定士報酬が高いこと、評価に時間を要すること等の理由で小さな物件の場合はあまり使われません。

②収益還元法のみによる評価
対象となる不動産の収益からその不動産の価格を算定する方法で次の様な算定式になります。匿名組合型で多い方法です。

物件評価額=収益÷還元率

収益=家賃-(管理費、修繕積立金、固定資産税等)
還元率=(事業開始時の)収益÷物件価格
*還元率はいろいろな決め方がありますが、不動産特定事業の匿名組合型などでは上記式が多く用いられています。
①、②いずれかの方法により算定された評価額が各投資家の持分の割合に応じて分割され、出資の払戻として支払われます。。

出口検討のための留意点

・立地
利便性の悪い立地でも、新築時は入居者がつきますが、時間が経過すると空室が多くなり物件価格が下がることが少なくありません。
自分が住んだらどうかという視点でのチェックが大事です。

・中古の場合
保有期間中に老朽化が進み終了時の売却価格が大幅に下がることがあります。
また大規模修繕のための積立がされているかどうかの確認も重要。

・収益性≒物件価値の継続性
特に地方都市などの高利回りの物件は一時的要因で高いこともありますから継続性という視点からもチェックしてください。

・事業者やそのグループ会社の所有物件
匿名組合型などでは物件価格が恣意的に決められることもあり得るので要注意です。

・事業者の信用リスク
匿名組合型で事業者が倒産した場合はもちろんですが、事業者の財務状況が良くない場合などには、期間が満了しても買取りされないことがあります。その事業者の風評などにも注意を払ってください

【不動産特定共同事業許可番号:
東京都知事第94号】
不動産特定共同事業法とは、不動産特定共同事業の健全な発達と投資家の利益保護を目的とした法律であり、事業を営むには主務大臣(国土交通省)もしくは都道府県知事の許可が必要です。
「一口家主 iAsset」は株式会社クレアスライフが賃借人として、オーナー様と賃貸借契約(不動産特定共同事業法第2条第3項第3号の不動産特定共同事業契約)を締結します。