94号 「一口家主iAsset」はどうして開発されたのか
「一口家主iAsset」は非常にユニークな商品です。これほどお客様寄りの商品は他では見かけません。今回は、この商品を開発に当たっての苦労話・裏話を開発者にインタビューしてみました。
どのような動機でこの商品を開発したのですか
定期預金や国債に代わる資産運用商品を私自身がほしかったのです。
定期預金や国債など安全な資産運用の金利はバブル崩壊後下がり続けとうとうメガバンクの定期預金金利は0.002%、5年物国債も0.05%とほぼゼロに近いような状態になってしまいました。
私自身、老後の資産運用は安全第一に考えていたのですが、株式を始め証券会社や銀行が勧める金融商品はリスクの高い怖いものばかりです。既製品で適切な商品がないので自分で作ることにしたのです。
開発で最も苦労したのはどのような点ですか。
元本の安全性確保のための仕組みをそろえることでした。
若いときならならやり直しも効きますが、老後の資産運用は安全第一です。そこで如何に安全性を高めるかという点で4つの仕組みを組み込むことにしました。
- 商品の「土台」を将来的に値崩れリスクの少ないクレアスライフの「東京都心マンション」とすること、 それを共有持分権(*1)に小口化してお客様が少額の資金でも買えるようにすること。
- 万一事業者(クレアスライフ)が破綻してもその影響を受けないようにお客様は共有持分権を自分の「所有権」として「登記」(*2)できること。
- 共有持分権を「優先劣後構造」(*3)とし、運用終了時にはお客様が「優先的」に元本の支払いを受けられること。
- 運用終了時のマンションの価格は市場売却価格か、契約で定めた「収益還元法」(*4)による算定価格かのいずれか高い方で評価すること。
不動産投資で「空室」も心配です。この点をどのようにして解決したのですか。
全運用期間中、借上契約にしました。空室や賃料ダウンの心配をなくしました。
空室になったらその間家賃が入ってきません。不動産投資の大きなリスクです。このリスクを避けるためクレアスサブリースと全運用期間中(5年或いは6年)借上契約を結ぶ仕組みにしました。これで空室があっても入居者の賃料が下がっても「定額の借上げ賃料」が安定的に入ってくるようにしました。
相続対策にも有効と聞きましたが。
その通りです。相続や生前贈与では評価額が1/4~1/5になり節税効果があります。
不動産は相続のときの評価額が実勢価格よりも安くなります。またこの商品の場合1口50万円の単位で分けられるので公平な遺産分割に有効です。争族の素を断ち切れます。なお、同じ不動産の小口化商品でも匿名組合型商品はお客様自身の所有権ではないので、相続税の節税メリットはありません。
満期の前に現金が必要になった場合はどうしたらよいですか。
クレアスライフが買い取る仕組みにしました。
他社の所有権を購入するタイプの小口化商品は買い手が見つからなければ売ること(現金化)ができないのがほとんどです。これでは急に換金が必要になった場合困ります。「一口家主iAsset」では事業者であるクレアスライフはお客様の事前申請に基づき買い取ができるように配慮しました。
【一口メモ】
人間というのは欲深です。先ずは安全第一ということで運用商品を探し始めても、もう少し利回りのよいもの、もう少しよいものと、いつの間にかそちらに重点が移ってしまい、結果的にリスクの高いものを選んでしまったりします。
老後の資産運用は安全第一。ブレないように気を付けてください。
【語句の説明】
【(*1)共有持分権とは】
例えば5,000万円のマンションを複数の人が少額の資金で所有できるように100個の権利に分割したとします。この時の1個の権利を共有持分権といい1口と数えます。この場合、1口の共有持分権は50万円になります。
【(*2)登記とは】
対象となるマンションの登記簿謄本にお客様名義の購入口数が記載されます。お客様の持分権であることが公的に証明されるので他人がそれを侵すことはできません。
【(*3)優先劣後構造とは】
お客様の元本の安全性を高める仕組みの一つです。
お客様の購入された分を優先共有持分権、クレアスライフの所有する分を劣後共有持分権とします。運用が終了してそのマンションを売却したとき、その売却代金をお客様(優先共有持分権者)に優先的に支払い、クレアスライフ(劣後共有持分権)には残額を支払う仕組みです。
(例)
- マンションの価格:5,000万円(50万円×100口)
- 優先持分権の合計金額:4,000万円(50万円×80口) 80%
- 劣後持分権の価格:1,000万円(20口) 20% とします。
さて、運用が終わって売却したとします。
- 売却価格:4,500万円→500万円下落しています
- お客様への支払(優先)4,000万円(50万円×80口)→購入時と同じで変わりません
- クレアスライフへの支払(劣後)1,500万円→500万円減少(値下がり分をここで吸収)
4,000万円以上で売れればお客様の購入した1口50万円は毀損することはありません。つまり劣後持分(20%)までの価格下落は保証されていることになります。
【(*4)収益還元法とは】
対象となる不動産がどれだけ稼ぐ(収益をもたらす)力があるかという点に着目してその不動産の価格を算定する方法です。「一口家主iAsset」では還元率を契約で定めて一定にしています。そうしますと賃料の上がり下がりにほぼ比例してマンションの価格が決まります。ところで賃料というのは景気に大きく左右されることはありません。そのため万一景気が悪く市場での不動産の実勢価格が下がっても、収益還元法で評価するとそれほどは下がりません。「一口家主iAsset」では市場での売却と収益還元法による評価価格の高い方を選ぶので元本の安全性が一層高められるようにしています。